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[バレあり]ちいさこの庭_感想038[3点]

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今回は『ちいさこの庭』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。

本記事ではネタバレを含みます。

ちいさこの庭 (フラワーコミックスアルファ)

ちいさこの庭 (フラワーコミックスアルファ)

 

各ストーリー感想

王子編 1巻(5話)

最終話からの感想です。

 

ちいさこを見える人は、「恋を知らぬ者」あるいは「死を迎えようとしている者」に限られます。つまり、一度恋をするとちいさこが見えなくなるのですが、死が近づくと再度見えるようになります。

 

死にかけた人間の場合、涙を流すことでその涙に魂が移ります。それにより、みつるは、ちいさこの世界を満喫できました。気になるのが王子の発言です。「もっといろんなものを描いてほしい」という発言。みつるは死が近いはずなのに、なぜこう言ったのでしょうか。

 

最後、老年のみつるが衰弱死しそうになる際、再び涙に魂が移ります。そこで、王子と再会し、王子が「これで連れていける」と言っているので、一部の人間は死ぬ間際、ちいさこになるんでしょうか。

 

たぶん、そうではないでしょう。ちいさこには成れないと思います。でなければ、みつるがちいさこの国を訪れるのを、王子が拒否する理由がありません。もし、ちいさこになるのであれば、王子の国にも、元人間がいることでしょうから。

 

そう考えると、みつるへの発言は、死が近いみつるを楽しませるための優しい嘘だったのでしょう。短い時間だけれども、絵を描いてほしい、一緒に過ごしたい、という気持ちの表れです。王子の気持ちを考えると切ないですね。

 

さて、5話を普通に読むと、転落時のみつるは「死を迎えようとしている者」だから、ちいさこが見えるようになったと思ってしまいます。しかし、みつるが恋をした経験があるとは、実は、どこにも描かれていないのです。その後、生き返っていることから、転落したみつるがちいさこを見られたのは「恋を知らぬ者」だったからと考えられます。

 

話で出てくる「旅人」は、テンでしょうか。旅人の横顔に3本線の模様があります。それか、テンと同じ一族ですね。王子の額にある模様が、彼の民にもあるので、国ごとになんらかの模様があるのかもしれません。旅人の髪の色が違うように見えるので、旅人とテンは別人だと思われます。

 

若いテン編 1巻(4話)

この場所、1話と同じ場所ですね。1話で登場する庭があります。「四百年の庭」というタイトルから考えると、1話の四百年前の話でしょうか。時代は、戦乱です。

 

1話で登場する家は、空き家として売りに出ているものですので、1話の登場人物たちが4話の登場人物の子孫ではないでしょう。

 

お林は、13歳から平次郎と暮らしていたため、平次郎を父のように慕っていたと思われます。だからこそ、平次郎に恋をしなかったのでしょう。平次郎は、お林に女を感じることがあっても、強い意志でそれを抑圧しています。

 

最後、離れるとなって、平次郎に恋をしました。恋とは何でしょうか?お林の話は、平次郎への同情のように読めました。父親を思う気持ちが、恋愛に変わったきっかけは何でしょう。離れることになって切ないのは分かります。が、それは恋に変わるのでしょうか。

 

想像できないのは、時代が違うからでしょうか。

理系が恋に落ちたので証明してみた。(1) (メテオCOMICS)

理系が恋に落ちたので証明してみた。(1) (メテオCOMICS)

 

 

皆さんの考察お待ちしております!

 

お林:恋を知らないために見えている

 

テン編 1巻(1話)

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1話、ちいさこを読み手に浸透させるための単なる導入話と思って読んでいました。

 

1話の話「ちいさこを小さい子が見つける。周囲の人間にちいさこの存在を否定される。それをきっかけにした家出で子は窮地に陥る。ちいさこが活躍し、子のところまで親を案内し、無事に保護される。」

 

この手の話の導入のお決まりのようです、と思って読んでいました。最後、瑠奈ママが再度ちいさこを見えるようになったのはいいのですが、2話目で、恋を知らない者しか見えない、という設定があり、見える見えないの基準に矛盾を感じました。

 

その矛盾が解消されないまま、最終話(5話)に入り、「死を迎えようとしている者」も見えるという設定に驚きました。瑠奈ママが、ちいさこを再度見えるようになったのは、瑠奈ママが家出騒動の後に亡くなるからです。

 

最後、成長した瑠奈がいます。10年くらい時が経過しているでしょう。そこには、ママが買ってきたブルーベリーがあります。このママは、家出騒動時のママと同じでしょうか。おそらく再婚相手です。あるいは、見える見えないは、5話の王子が知らない別の基準があるのかもしれません。

 

が、本作品の事実だけで考察すると、家出騒動時に瑠奈と瑠奈ママがちいさこを見えた理由は次の通りでしょう。

瑠奈:恋を知らないために見えている

瑠奈ママ:死を迎えようとしているために見えている

 

ほのぼの漫画だと思って読んでいただけに、瑠奈ママの「死」が1話に隠されていたのは大変な驚きでした。 

 

イグナ巻 1巻(2話)

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この話、好きです。宮沢の、愛を知らないのに妄想で愛の苦しみを感じられる様がいいですね。

 

新井の恋は実るのでしょうか。実るでしょう。宮沢は、これまで自分から愛を避けていたと思われます。宮沢にとって、新井が宮沢に恋をしているのは確定的に明らかですので、余計な駆け引きをする必要がありません。あとは、宮沢が新井を気に入れるか入らないかだけです。

 

新井にとって、宮沢に愛をしているのは確定的に明らかですので、全力でアプローチするでしょう。新井は幸せ者です。自分が本当に相手を好きなのかどうか客観的に明らかですもの。

 

新井:恋を知らないために見えている

宮沢:恋を知らないために見えている

 

ルンダ編 1巻(3話) 

トモキは、カラスと戦い傷つきながらも世界に羽ばたくルンダの姿勢を見て、自分も世界に出ようと思えるようになりました。自分が傷つかないよう、自宅という安全場所にこもっていたトモキが、世界に出ようと思えたのは、ルンダのおかげと言っていいでしょう。

 

トモキはルンダに恋をしました。だから、ルンダが去る際、すでにルンダは見えなくなっていました。ちいさこと人間が一緒に過ごせないのは、人間がちいさこに恋すると、その姿が見えなくなってしまうからですね。

 

トモキ:恋を知らないために見えている

 

最後に

ちいさこの言う「恋を知らない」の「恋」に親子愛や兄弟愛、人類愛を含まれていないでしょう。性欲の対象への恋だと思われます。 

 

ちいさこが見える者は、原則、恋を知らない者でしょう。そう考えると、見える人は可哀想ですね。恋を知らないのは、愛したことがない、だけでなく、愛されたことがない、からです。

 

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ネタバレなし評価 

 

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