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[バレあり]月曜日の友達_感想043[3点]

 

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今回は『月曜日の友達』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。

本記事ではネタバレを含みます。

月曜日の友達 1 (ビッグコミックス)

月曜日の友達 1 (ビッグコミックス)

 

各ストーリー感想

春編 1巻(1~3話)

中学生になって2週間。周りが恋愛番組を楽しむ中、水谷は「世界の動物特集」を見ている。・・・、早熟です!アニメなら話が分かりますよ。でも、水谷は「世界の動物特集」を見ているんです。どう考えても、恋愛番組を見ている方が“子ども”でしょう。

 

彼らは、成人になっても、地域の空撮や工芸品が紹介されるような「世界の動物特集」を見ることはないでしょう。バラエティー番組の動物特集を見るのが関の山です。その程度で、友人の土森は医者になりたい、と言う。

 

自分が周りよりも進んでいる、と自分自身や他人に思わせるため、誰かをこき下ろす思想。これは、中学1年生に特別というよりも、世の中の弱い、しかし、大多数の人たちに共通のものですね。著者は、それをうまく表現しています。

 

超能力を身に付けることで特別な存在になりたい月野。彼が、悪そうな女の子である火木に脅迫?されてる場面に、蹴り込んだ水谷。蹴りは、飲み物にあたり、ゴミ箱にうまく入りました。

 

月野は、それで水谷に興味を持ちます。月野は、水谷に、超能力開発の手伝いをお願いし、水谷は、月曜日は姉がいてつまらないから、という理由で承諾しました。

 

なぜ、姉は月曜日に県外の下宿先からわざわざ泊りに戻ってくるのでしょうか。その学校は、月曜日休みなのでしょうか?なにの説明もありません。水谷の“月曜日嫌い”を強化するためだけの設定に思え、ため息がでます。

 

月野は、水谷の目にも興味があります。モノクロームの世界の中で、唯一、色がある瞳。月野の目の悪さはちょいちょい描写されます。もしかすると、月野は目の病気であり、本当に世界がモノクロームに見えているのかもしれません。

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月野は、中二病をこじらせすぎです。超能力を使えることで、特別な人間になりたいと願った月野。一方、周囲についていけない水野は、月野が大人にならないことを願います。

 

小学生から中学生に変わる苦悩の表現はうまいと思いますよ。これは、中学1年生あるいは小学6年生向けの漫画です。そう思って読むと、今度は、水谷の思想が高校生並みで、中学1年生には理解できないと感じましたが。

 

誰に向かって描いているのかわからず、困惑します。他の悩みに転用(例えば、高校受験で地元を離れるか残るかの葛藤)し、自分事化できるかもしれません。が、私には何ら響きませんでした。

 

夏編 1巻(4話)

月野と月野妹(澄ちゃん)の関係を見て、自分の姉が自分に対して抱いている思いを理解しました。姉は自分のことをバカにしているのではなく、可愛い妹のために、姉として世話を焼いているのだ、と。このあたりの助け合い、素敵ですね。

 

夜、水谷と月野は2人だけで花火をします。ここらの描写は、黒が主になります。花火との相対による夜の暗さだけでなく、月野の内面も表現しているのでしょう。

 

秋編 2巻(5話)

火木の孤立から話は始まります。水谷の周りには人が多くいます。そして、月野の周りには、火木しかいません。月野にしたら、水谷はクラスの人気者で自分とは遠い存在に感じるでしょう。

 

火木はとても人間っぽいです。火木の兄は、悪い奴でしたが、火木には優しかった。だから、火木にとっては、いい兄だった。だから、兄を侮辱する者は許せない火木。そんな家族思いを知った上で、家族思いな月野を傷つけていると知らせた水谷。

 

自分が大切にしている思い(家族愛)を持つ者を、自分が無意識に傷つけていた、という事実の通達。水谷は清潔すぎる、と思われた方もいるでしょう。が、私は水谷に賛同です。火木が月野を傷つけたのは事実ですから。火木は、苦しまなければなりません。

 

一方、夜の密会をばらされて激昂した月野。彼もまた清潔すぎるのです。夜の約束で、水谷を縛り付けられると思っていた月野。水谷を素敵だと思っていたからこそ、囲っていた月野。ばらされたことで、月野の自尊心はボロボロになりました

 

男子中学生の心理的描写、うまいですね。

 

冬編 2巻(6~7話)

「自分が傷つくことより 人を傷つけることがこわいことを知った。 自分が傷ついたことより 人を傷つけたことがつらいことを知った。」ことで、“大人になる”と感じた水谷。公園では、土森の大人論が展開されています。

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私には響きませんでした。スライスされた生ハムくらい薄いです。連載されていた雑誌は、週刊ビッグコミックスピリッツで、雑誌の想定読者は“青年”のようですが、連載時は響いていたんですかね?

週刊ビッグコミックスピリッツ 2019年12号(2019年2月18日発売) [雑誌]

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  • 作者: 週刊ビッグコミックスピリッツ編集部,ジョージ朝倉,小林有吾,上野直彦,阿部潤,中原裕,こざき亜衣,高橋のぼる,佐久間力,のりつけ雅春,高瀬志帆,水口尚樹,丹羽庭,真鍋昌平,浅野いにお,藤木俊,鳥飼茜,山本英夫,金城宗幸,にしだけんすけ,吉田戦車,草下シンヤ,本田優貴,むつき潤,カレー沢薫,高橋しん,相田裕,和田竜,吉田史朗,ホイチョイ・プロダクションズ,タナミユキ
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月野と水谷はなんやかんやで仲直りしました。そして、超能力が開花し、空を飛びました。そこでは、読み手を感動させるために熱い話がされていました。

 

が、私には何も響きませんでした。超能力が開花した瞬間に、この漫画のテーマである“小学生から中学生になる苦悩”が消え去りました。それは、つまり、本作品が、最後の最後でテーマを放棄したことを意味します。ため息がでます。

 

春編 2巻(8話)

春編の始まりは、1巻の1話と同じ始まりですね。会話も似ていて、描かれている風景も似ています。が、憂鬱そうに登校した女の子が、最後に前の子と楽しそうに話している姿はよかったです。

 

ただ、内容としては、何を伝えたいのかわかりませんでした。コマ割りも大きく、何かメッセージがありそうで、ない。 ため息がでます。

 

後姿の女の子、月野の妹である澄ちゃんかと思ったのですが、彼女はまだ6年生なので、違いますね。

 

最後に

なぜ超能力を実現させたのでしょう。

超能力は気のせいだった、と受け入れることこそが、月野の大人への一歩だったでしょうに。

『ちーちゃんはちょっと足りない』が良かっただけに、本当に残念です。

 

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ネタバレなし評価

 

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