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[バレなし]ちーちゃんはちょっと足りない_評価015[4点]

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今回紹介する漫画は『ちーちゃんはちょっと足りない』です。

本記事ではネタバレを含みません。

著書である阿部共実さんは、少し知能が抜けた子の描き方がうまいですね。そして、表現する絵は、読み手の不安を喚起する力を持っています。私は、この手の作品は苦手なのですが、苦手を喚起することこそが著書の狙いでしょう。

 

ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)

ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)

 

巻数

1巻

 

総合評価 4点(3.8点)

1巻という尺にぴったりの内容でした。

 

絵は好き嫌いがでると思いますが、その絵が内容にぴったりで、より不安を掻き立てます。外から見る彼らの日常と、特定のキャラクターから見る彼らの日常は、同じではありません。本当の生きづらさは何なのでしょうか。

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各指標評価

1.ストーリー 5点

ぜひ読むことをオススメします

知的に問題のある中学2年生の女の子ちーちゃん(主人公)とそれを取り巻くクラスメイトの日常を描きます。主人公は知能が劣っていますが、少しずつ新しい知識を吸収し、テストの点が上がっていきます。しかし、善悪の区別、つまり道徳的な正しさを身につけるまでには至らず、自分の観点で正義を振りかざします。

 

そんな主人公のピュアさは最後まで一貫しており、逆に、周囲の人間の内面が変わりゆく様が描かれています。変わらないと思っていたものが変わる様を見て、置いていかれたと感じる気持ちも表現されています。実は、ちーちゃんは物語のスパイスに過ぎず、本当の主役は別の者です。

 

この辺りが巧妙で、読み手は第三者の目線から、少しずつ別の者の視点で、彼らの日常を体験させられ、より暗い闇を覗くことになります。いつの間にか傍観者であることを否定されるのです。

 

2.キャラクター 5点

ぜひ読むことをオススメします

主人公は、中学2年生にも関わらず、割り算ができない程度に知能が劣っています。他のクラスメイトと同じ教室で同じレベルの授業を受けている理由はわかりません・・・。表現されている知的レベルだけで考えれば、ちーちゃんは特別支援学級にいたとしても違和感を覚えません。そうしないのは、著者による、「普通」への問題提起なのかもしれませんね。

 

が、もう一人、私たちが注目せざるを得ない者が登場します。その子は、正常な低能です。ちーちゃんのように、あからさまに知能は劣ってはいませんが、集団の中では「下」に位置する者です。その者から見た世界は、それまで第三者として見ていた日常とは違う苦しみがありました。

 

他にクラスメイトも、うまく役割が与えられており、主要登場人物では、彼らの性格の両面を楽しむことができます。

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3.読みやすさ 2点

読みたければ読めばいいと思います

この著者の絵が苦手です。カクカクしてる絵で、内容が内容なだけに読んでいて精神に不調をきたします。ある意味、内容と狙いにあった絵なのですが、形式的には読みにくいため低評価になります。

 

終盤の闇が深くなってく場面の描き方は秀逸です。「邪」が絵から漏れでていますね。この辺りは逆に読みやすくなっています。

 

4.没入感 4点

興味があれば読むことをオススメします

最初はそうでもないですが、読み進めるうちにどんどん続きが気になる作品です。驚くような伏線やオチはありまえん。日常を見る視点が変わることで、そわそわします。

 

ちーちゃんの行動は予測不能で、次どのような行動をするのか気になります。「こうなればいい」、「こうならないといい」等読者は彼女の不安定さに振り回されるでしょう。読んでいて結構疲れる作品でした。

 

5.独創性 3点

読んでもいいと思います

上記まではどちらかと言えば高評価ですが、読んでいて不安になるような設定はそこまで珍しいものではありません。このブログで今までに紹介したものですと、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』がありますね。

 

話の進め方は面白かったですが、特筆して目新しいわけではないです。それでも、内容にかかる項目で高評価なのは、著者の描き方がうまいからです。

 

最後に

試し読みのリンクがうまく貼れずに、表紙の表示に失敗しています!と思ったらうまく表示されいますね。原因はなんだったのでしょうか・・・。

 

話は変わるのですが、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は2018年に実写映画化されていたんですね。知らなかったです。予告を見る限り、「見たい」とは思わなかったんですが、面白いんですかね〜。

 

試し読み

 

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ネタバレあり感想 

 

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