今回紹介する漫画は『貧民超人カネナシくん』です。
本記事ではネタバレを含みません。
ゆるめのギャクマンガです。
思っていたよりもハートフルな登場人物たちで、読後は暖かい気持ちになります。
巻数
3巻
総合評価 3点(3.0点)
コマの使い方、絵そのものは惜しいですが、内容は期待以上でした。終盤のスピード感に不安を覚えますが、最後はなかなか素敵でしたよ。
各指標評価
1.ストーリー 4点
興味があれば読むことをオススメします
登場人物が限られており、密度の高い展開を期待できます。3巻という尺の中ではけっこういい感じの人数ではないでしょうか。ゆるいギャク系の漫画では、ギャグのために新しい人物が増えがちですが、本作品ではそうでもなったです。
漫画を読んでいて「ふふふっ」と笑うことはよくあるのですが、本作品では、声を出して笑った場面がいくつかありました。本格的なギャグ漫画でないからこそ、ふとしたボケとツッコミにはまります。
3巻完結なのですが、3巻の最終話らへんあたりまで、本当に3巻完結なのか?と疑ってしまいました。終わり方は好きなほうですが、終わりに至る描き方がちょっと残念。ただ、最後は、いい意味で「ほ〜」となる展開ですよ!
2.キャラクター 4点
興味があれば読むことをオススメします
全体的に暖かく、ヒロインが最後まで一途な点は高評価です。途中に登場する恋敵も、なんやかんやで前半から続くコミュニティーに溶け込めています。なにより主人公の貧困への態度がいいですね。嫌味がありません。
読み始めは、貧乏設定でどこまで展開できるのか不安でしたが、各キャラクターの登場によって、内容に深みがでます。
3.読みやすさ 2点
読みたければ読めばいいと思います
絵はどちらかといえば苦手でした。
基本的には、1ページ4コマで進みます。4コマ目がオチのものもあり、「え、そこで終わるの?」的な場面もあります。コマ割りの使い方でもう少し面白くなりそうだと思いました。
4.没入感 2点
読みたければ読めばいいと思います
続きよりも、本作品をどのようにまとめ上げるのか気になってしまいました。
高校生の設定なので、時期のイベントを入れるごとに時間が進みます。翌年に繰越すか繰り越さないかが分かれ目になりますね。
すでに完結済みの漫画だからこそ、内容から今後の展開を考えてしまい、尺が足りなくなるのでは?という要らぬ心配をしてしまいました。
それぞれの話は面白いのですが、連続性があまりないのでそれぞれで満足してしまいます。だからこそ、本作品に没入することはほとんどありませんでした。
5.独創性 3点
読んでもいいと思います
貧困の男子高校生が主人公で、それにお金持ちの女子高校生が惚れる展開はあります。また、登場人物の性格、性別、人数とも王道の設定です。
しかし、主人公の発想・行動、ヒロインを取り巻く環境等は同設定の漫画では群を抜いた面白さでしょう。特に、ヒロイン宅のネコちゃんは恐ろしいほどに独創的でした。
大きな流れは王道ですが、その流れの中で違いを表現できている漫画です。
最後に
読み始めた時は、期待はずれでした。ゆるいギャクマンガはあまり好みではなく、同じような話が延々と続くんだろうなー、と思ったからです。実際には、1巻の4話から顔がにやけるようになりました。
1巻のKindle版は現在0円のようですよ!(2018年12月13日)
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ネタバレあり感想