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[バレあり]うみべの女の子_感想009[5点]

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今回は『うみべの女の子』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。

本記事ではネタバレを含みます。

うみべの女の子 1 (F×COMICS)

うみべの女の子 1 (F×COMICS)

 

各ストーリー感想

中学2年生編 1巻(1〜2話)

磯部の使う単語に悪意しかない・・・。読んでいてなんか嫌な作品です。小梅ちゃんは三崎先輩への腹いせに磯部と性行為をしたのでしょう。そんな小梅ちゃんに対して、やっぱり好きだと伝える磯部は可愛いです。磯部のそれは性欲なのか愛なのかどっちなんでしょう。中学2年生の男子に、性欲を超えた愛なんてあるんですかね。磯部と小梅ちゃんの性描写は、磯部にとっては小梅ちゃんとの関係を保つため、小梅ちゃんにとっては自分を汚すことでさらなる悲劇のヒロインになるためでしょう。物語が進むに従って、2人にとっての性行為が意味するものが変わっていきます。

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三崎先輩は、純粋にやばいやつです。自分の欲求に従い、自分の魅力を十分に使う姿勢からは野生の動物が想起されます!

 

中学3年生始まり編 1巻(3〜4話)

学校での性行為は背徳を意味しています。小梅ちゃんにとっては、快楽という観点からよりも、いけないことをやっている自分は特別なんだ、という意識からでしょう。これは、小梅ちゃんが磯部を誘っている点と、想像したほどには背徳感を覚えなかったために今後はやめようと提案している点から読み取れます。

 

一方で、磯部は亡くなった兄の幻想に苦しめられています。その幻想から逃れるためというよりも、磯部はその幻想を利用して自分を悲劇のヒロインとみなしています。小梅ちゃんと深い部分では同じ性向がありますね。

 

キスを求める理由は、性欲を満たすための行為ではなく、愛するためでしょうか。それとも、小梅ちゃんの全てを支配したいからなんでしょうか。磯部はキスの目的を前者と思っているでしょうが、実際は支配欲求でしょう。最後の最後に、小梅ちゃんがキスを求める場面で、うみべの女の子を見つけて夢中になっているために小梅ちゃんへの興味が無くなり、これまで求めていたキスを断っていますもの。

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うみべの女の子編  1〜2巻(5〜12話)

拾ったSDカードに残っていた写真には、磯部の理想とする女の子が写っていました。これを境に二人の関係は崩れ始めます。磯部はその子を気に入り、パソコンの壁紙にするという気持ち悪い行為をします。思春期男子特有の気持ち悪さですね。兄の話は本当なのかわからないです。脳内で幻想と現実が入り混じっているのが、現実に漏れています。

 

磯部が精神的主柱になりつつある小梅ちゃんは、その社員が気に入らずデータを消します。この行為は、中学生だから許させる行為です。20歳超えても同じようなことをしていれば、メンヘラとかそういう次元じゃなくてやばい人です。

 

2人の関係の変化に鹿島が気づき 、小梅ちゃんを手に入れられないもどかしさが怒りに変わり、暴力という形で出力されてしまいます。磯部、煽りすぎ。

 

これまでの均衡が崩れ、3人はさらなる悲劇を求め、自らを汚しに向かってしまいます。特に、小梅ちゃんが三崎先輩に連絡を取り、海について行ったは軽率さというよりも、どうなるかわかってついて行った感はあるでしょう。でも、きちんと断れたのは素敵です!!

 

覚醒編 2巻(13〜18話)

小梅ちゃんと磯部はいつにも増してお互いを求めます。これは、生物として種を残したいという本能的なものでしょう。この描写により、二人に破滅の未来が待ち構えてることを表現しています。

 

磯部は、三崎先輩を狩りにいきます。勇ましい行為です。ただ、これは兄の仇討ちなのでしょうか。私にはそうは思えません。なぜなら、兄の話は磯部の幻想と思えるからです。そこで三崎先輩狩りの理由は、小梅ちゃんの仇討ちでしょう。自分が汚れることで、小梅ちゃんの汚れを落とす狙いがあるのではないでしょうか。兄の仇討ちではないため、三崎先輩狩りの後に死ぬこともなく、目標無くさまよっていたところ、うみべの女の子に出会いました。この展開での出会いにより、うみべの女の子は磯部の希望になってしまったのです。

 

小梅ちゃんは、磯部が自分の支えになっていることに気づきました。これは愛ではありません。都合のいい存在だとしっかりと認識したのです。だからこそ、それが離れていかないような取り組みが必要だと感じました。しかし、皮肉にも会えず、磯部精神的奴隷化計画は実現しませんでした。嵐の最中に出会っていれば、今までと同じぬるい不幸が続いたのでしょう。

 

嵐の終わりとともに、2人の覚醒は終わりました。

ここは小林の健気さに救われるところですね!

 

これからの未来編 2巻(19〜20話)

生きるエネルギーとしてうみべの女の子を見つけた磯部にとって、小梅ちゃんは不要になりました。なぜなら、兄の幻想と小梅ちゃんへの想いは負の原動力でしたが、うみべの女の子は善のエネルギーだからです。 

 

磯部に振られた小梅ちゃん。小梅ちゃんもなんやかんや新しい生活を始めています。新しい彼氏には、頭空っぽな子を演じています。鹿島の「思い描いてた理想とは違うけど色んな事が積み重なって結局俺らしい」は、ぐっときますね。小梅ちゃんの気持ちも少しは軽くなったのではないでしょうか。

 

鹿島と小林、別れていますね。あー、やっぱり鹿島は小梅ちゃんが忘れられなかった。最後のシーンの男気あるところはかっこよかったです!

 

最後に 

感想を書いているうちに、感想が巻数に対して結構なボリュームになりました。上記の解釈は、本作品を読んだ私の理解ですので、みなさんと違う部分があると思います。特に、私は磯部兄のくだりを幻想と捉えて解釈しましたので、そこで意見が分かれると思います。兄はいたとは思うですが、事故じゃなくて自殺云々のくだりは磯部の脳が捏造した記憶に感じられるんですよ。

 

浅野いにおさんの作品は、全体的に暗いイメージがあります。実は、『おやすみプンプン』を読んで、浅野いにおさんの作品にハマりました。いずれは『おやすみプンプン』の評価と感想に挑戦します。が、なかなか巻数が多いんですよね!重厚な作品で、かつ、読んでいて寂しくなる作品なのでエネルギー消費が半端じゃないです(笑)。

おやすみプンプン(1) (ヤングサンデーコミックス)

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ネタバレなし評価 

 

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