今回は『四畳半の祓魔師』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。
本記事ではネタバレを含みます。
各ストーリー感想
ニキータ編 1~2巻(1,2,4,5話)
大食いなのは、ニキータの本当の姿が大きいからでしょう。ニキータの発言にも、「質量があるからな!」とあります。つまり、可愛らしい女の子の枠に、相当な密度で実態があるとわかります。
本作品は、ニキータと主人公が契約してから3年経っています。併せて、あと3年以内にニキータの願い(呪いを解く)を実現しなければならないとわかります。
ニキータの戦闘シーンは踏むか叩くか一瞬で終わります。著者が少女漫画系なので、戦闘シーンはそれほど描けない(あるいは、描きたくない)のでしょう。その代わり、ニキータはとても女の子っぽくて、“カワイイ”のねだりやや“踊ってみた”の実演等が描かれています。
ヴァンパイアハンターの出オチは意外でした。ヴァンパイアハンターで物語を展開することでもできたでしょうに。
阿部高明編 1巻(3話)
主人公の幼馴染で、眼鏡の有り無しで性格が変わる設定です。眼鏡有りは、主人公にデレデレですね。ちなみに、男です。無しでは、デレデレがなく、イケイケになります。
学校でいじめられていた背景から考えるに、眼鏡を外すことで、理想の自分を演じているのでしょう。だからといって、「眼鏡有りが本当の高明」と言いたいのではなく、どちらも本当の高明だと思います。
これは、眼鏡有りの状態をお酒を飲んでいない素面、眼鏡なしの状態をお酒を飲んでいる酔っ払いと考えれば、わかりやすいでしょう。お酒を飲んでいる状態はいつもより気が大きくなります。だからといって、それだけがあなたの本当の姿ではないでしょう。素面の状態も本当のあなたです。
3話の最後、ニキータが高明の勧誘を断るシーン。あれは恋する者です。「~だけど、好き」からニキータが主人公を好きとわかります。これが、「好きだけど、~」であれば、そこまで好きでないことを意味しますよ。
ベリアル編 2巻(6話)
大魔王ベリアルは、力を一時的に下げるため、猫になりました。猫から戻るためには、男に鼻をキスされる必要があります。加えて、女に触れられると再び猫に戻ってしまいます。う~ん、再び猫に戻る設定が厳しいですね。
術をかけた友人は、再び猫に戻るトリガーを「女に触れられたら」にしたのでしょうか。考えらえるのは、友人がベリアルを狙っていた、あるいは、ベリアルのBLに期待したからでしょう。少女漫画作家の性癖が表れているように感じました。
破壊と混沌ではなく、破壊と整頓のベリアルとして四畳半に住み着きます。そして、ベリアルズキッチンとして、料理レシピを公開します。これは、著者の自由さが伺えます。そこまでして、そのレシピを広げたかったのでしょう。
地獄編 2~3巻(7~10話)
10層ある地獄の1層しか描かれていません!
連載が続いていれば、どんどん下層を進み、ニキータがいた9層で何か起こったんでしょう。ニキータがいた層を9層にしていることからも、いずれは10層でも何か起こったんでしょう。
レオン・ファウスト、なかなかの変態畜生です。彼は二次元を愛し、ゆえに、ニキータをロリファッションに包みます。一方、人形に魂を込めるため、地獄1層を漂う魂を狩ります。
ニキータの体(女の子の枠)を作ったのも彼でした。つまり、ニキータの女の子の見た目は、本来の姿ではないんです。
ファウストが魂を消滅しますが、なんとも反応が緩い。また、ファウストの片腕も破壊されますが、それへの反応も緩い。ほのぼの系を主にした漫画なので、シリアスに描けないのでしょう。
ニキータ駆除編 3巻(11~14話)
ニキータの呪いは神の呪いであり、解けないことがわかります。連載が続いていれば、神を狩りに行っていたのでしょう。
最後!全然、解決してないですやん!阿部家が断絶するとニキータは、再び9層に戻ります。あくまで一時的な処置です。ベリアルを介しているので、ベリアルの配下であれば、9層に戻らなくて良さそうですが。
そもそもベリアルは何層なんですかね。ベリアルが地獄に詳しいことや大魔王であることを考慮すると10層だと思います。
最後に
四畳半と言えば、『四畳半神話大系』を思い浮かべます。
四畳半という狭さで、青年、女の子、猫が一緒に暮らすのは相当狭いでしょう。隣の隣に引っ越してきた料理の子もよく引っ越してきたと思います。「狭い家=貧乏」というのが一般的ですが、本作品では、狭さが暖かさを表しています。
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