今回は『アナログドロップ』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。
本記事ではネタバレを含みます。
各ストーリー感想
思考開示編 1巻(1話)
亜紅ちゃん、パパ活してそうな女の子です!
いや、これはパパ活でしょう。少なくとも三人の男を手玉にとり、お金になりそうなものを引き出しています。地位、財産、自由、羨望を手に入れるには、芸能界は不適切だと考える柔軟な頭もあります。
確かに、亜紅ちゃん並みに可愛ければ、こういう生き方もいいでしょうね。自分の強みを使い、目標を達しようとするのは、とても合理的です。また、貞操をしっかり守っている点も評価が高いです。
ただ、パパ活のような生き方は危ない目に合う危険もあります。それは、1983年で亜紅ちゃんも感じたところです。現代では、女性を守る意識が高いですが、昔はそうではありませんから。
死から逃れるため、過去に飛んで「長石虎次郎」の恋愛を成就させなければならない、運命になりました。でも、刺されるというのは不穏ですね。長石虎次郎は、病弱な(嘘)しのぶちゃんに恋しています。
1983年編 1~2巻(2話~7話)
亜紅ちゃん、虎次郎に恋しとるやないかい!
なんやかんや虎次郎はピュアでした。そして、しのぶちゃんは、ファッションデザイナーの夢を叶えるため、虎次郎や暴走族のトップを騙していました。これは、亜紅ちゃんに似ています。
夢の具体性の差(ファッションデザイナーになりたい、上級国民になりたい)はありますが。しのぶちゃん、亜紅ちゃんともに女を売りにしている点は同じです。どちらも、お金がないから、女を売っています。貧乏は心を削るんですね。
1983年編は、現代の私たちにすれば、人の機微が今よりも単純で、過ごしやすいように見えます。しかし、それは間違いです。どれくらい間違いかと言えば、都会に住む人が、田舎に憧れるくらいに間違いです。
男女差別、地方格差等、現代よりも階級は硬直的であり、生まれが重視される時代です。1973年でも亜紅ちゃんが認められたのは、度胸があり、それが男と同程度以上だったからです。また、それを、虎次郎をはじめモブ3人が受け止めることができたからです。虎次郎もモブ3人もかなりラディカルな思想ですね。
虎次郎も亜紅ちゃんに恋をしたのでしょうか?
帰還編 2巻(8話)
このタイムリープの仕掛人は、80歳になった亜紅ちゃん自身でした!80歳には見えない見た目です。年齢診断の結果でも、36歳のようです。笑。そして、さらっと、結婚で何度か苗字が変わっている発言。亜紅ちゃん、良かったですね。夢が叶っていますよ。
夢が叶っているからこそ、虚しくなったようです。そして、自分自身を変えるため、人の暖かさを知ってもらうため、17歳の亜紅ちゃんを過去に送り込んだみたいです。そのために、わざわざ自分を殺そうとするとは。そして、虎次郎は、予定通り死ぬと思っていたは。
それよりも、戻ってこられたのは、虎次郎も亜紅ちゃんに恋し、両想いになり、キスをしたから、恋愛成就したということでしょうか。それとも、そもそも、虎次郎の恋愛成就は関係ないという話でしょうか。
私は後者だと思います。なぜなら、80歳の亜紅ちゃんは、虎次郎が過去通りに死ぬと考えていたからです。なら、なぜ、虎次郎が選ばれたのか。うーん、分かりません。
このタイムリープでは、過去の活動が未来に与える影響がそこまで考慮されていません。もし、亜紅ちゃんが人の暖かさを知り、考えが変わったなら、80歳の亜紅ちゃんは今のような状態にはいないでしょう。世界が分岐するのでしょうか?
さて、私は、「虎次郎が亜紅ちゃんのお父さん」というオチを予想していたのですが、全然関係ありませんでしたね。亜紅ちゃんが、虎次郎の家に未来で住んでいた必然性はないのでは?と思いましたが・・・。
2017年に、虎次郎が復活しました!これはこれでハッピーエンドです。もし、苗字が長石のままなら、長石亜紅(ちょうごくあく、超極悪)になります。笑。
最後に
もし、現代の高校生が1973年に飛ばされたら、馴染めないでしょう。
それは、顔を合わせたコミュニケーションが下手になっているから等ではなく、単純に、1973年に強い差別意識があるからです。父権的な考えが各人に染み込んでおり、それに基づいて行動しているからです。
今の大人たちはどうでしょうか。
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