今回紹介する漫画は『みわくのあくま』です。
本記事ではネタバレを含みません。
とても恐ろしい作品でした。心理的な恐怖ではなく、このような作品が出版されいてることにです。一見何も意味がないように感じられ、本当に意味がない作品です。
巻数
1巻
総合評価 2点(2.4点)
絵がごちゃごちゃして読みにくいのを別にしても、私には理解できなかった作品です。しかし、一部界隈で本作品を高評価する理由はわかります。ポストorアンチサブカルの方々は、本作品が芸術に見えるのでしょう。
独創性の項目で5点を取ったため、総合評価が引き上げられていますね!
各指標評価
1.ストーリー 1点
読むことをオススメしません
あくまに取り憑かれたため、周囲から「かわいい」と熱烈なアプローチを受ける少女が主人公です。あくまの力は、人間だけでなくあらゆる生物に効力があります。ただ、草花は別のようです。思考する対象にしか効果がないことから、あくまの力は脳に作用するのでしょう。
さらっと読むと、本作品にテーマがないと思ってしまいます。しかし、深く考えればテーマが隠されているように感じます。そして、もっと深く考えればテーマがないことに気づきます!
(ネタバレ感想では、テーマが深淵にある前提で書きます!)
終わり方が、次に繋がる感じなので2巻も予定されていたのでしょう。残念ながら未だ出ていませんので、1巻完結の漫画と見なします。そう考えると、本作品の終わり方はひどいです。なぜなら、終わり際に宣言した次のイベントは、作中ですでに成されたイベントだからです。
「何も考えずに読む漫画」との位置付けであれば評価は変わります。が、それはないと思います。本作品は、所々で、意味がありそうな設定を展開するからです。
2.キャラクター 5点 3点
読んでもいいと思います
主人公は魅力的な人物として描かれています。それは、あくまの力によってです。だから、読み手から見た主人公が魅力的かどうかは関係ないのです。そういう設定なので、わざわざ著者が主人公の魅力を別に表現する必要はありません。
主要キャラクターはもう1人います。主人公と同じクラスの女の子で、なんやかんや主人公との距離が縮まります。主人公の魅力が通じないあるある設定かと思いきや、しっかりとあくまの力が効いており、主人公にはまっています。
他にもそこそこの脇役はおり、主人公に振り回されすぎた結果、別の感情が表現される等、意外に面白くはあります。ただし、よくわからなく、設定が弱いキャラクターも数多く登場します。
3.読みやすさ 2点
読みたければ読めばいいと思います
1点になるだろうと感じたのですが、実はコマ割りに工夫がなされている作品です。部分部分で面白いコマの使い方をしていますよ。
絵は下手ではありません。ただ、1つのコマに絵を詰め込みすぎの場面が多々あり、大変読みにくいです。主人公の魅力を表現する手法でしょうが、あまりにも多様されており読んでいて疲れます。
4.没入感 1点
読むことをオススメしません
話は、全て主人公の魅力から発生し、全て魅力で解決するので、途中から既視感が凄まじいです。端的に言えば、読んでいて飽きます。1巻という、作品として最小単位の尺にも関わらず、飽きさせるのはある意味恐ろしい技です。
5.独創性 5点
ぜひ読むことをオススメします
内容がぶっ飛んでいて、ついて行けませんでした。これは、現代美術に通じる作品でしょう。内容が、高度や奇天烈なわけではなく、ストーリーはあるんですがその繋ぎ方があまりにも面白くない、という意味です。
私には理解できませんでしたが、Amazonでは高評価(一部)の作品です。「この漫画が好きな私は、みんなとちょっと違うでしょ」という、謎の差別化を図りたい方には適した漫画です。
最後に
サブカル系とは違う痛さがありました。たぶん、サブカルが好きな人はこの漫画を好きではないでしょう。サブカル好きの対岸にいるような人がこの漫画を好むように思います。
それにしても、大変自由な作品です。著者は、何を表現したくこの漫画を描いたのでしょうか。私は、表現したいものはないと思います。しかし、もし何かあれば、私には想像がつかないほどに深淵なものでしょう。
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ネタバレあり感想