今回紹介する漫画は『少女』です。
本記事ではネタバレを含みません。
原作は、湊かなえさんの小説2作目です。私は、6作目まではハードカバーで本(小説)を買っていました。やはり、『告白』の衝撃が強く、それを超える作品を期待していただけに、2作目以降は残念さを感じました。
が、4作目の『Nのために』は好きですよ。
巻数
1巻
総合評価 3点(3.0点)
“普通で面白い”という評価でしょう。 面白い作品ではありますが、平均的な面白さです。無駄がないので、構成の作り方は参考になると思います。
各指標評価
1.ストーリー 3点
読んでもいいと思います
2人の女子高校生が「死」を見たいと思い、病院や介護施設でボランティアする話です。2人とも、不安を抱えており、「死」を目撃することで、それを乗り越えられると考えています。
どちらかといえば、ハッピーエンドです。が、ここで重要なのは、どうハッピーエンドなのか、です。
2.キャラクター 3点
読んでもいいと思います
2人の女子高生のすれ違いがうまく描かれています。自分の身の回りのみを“世界”と考え、周りに捨てられると自分の存在価値はないと感じる、思春期特有の思考をうまく表現しています。
しかし、魅力的ではありません。他キャラクターを含めて、全てが上滑りしているように感じました。過去の設定、現在の設定、それらがどうしても表面的なもので、その下にあるものを表現してほしかったです。
3.読みやすさ 3点
読んでもいいと思います
絵は、好きでない方ですが、読みにくくはないです。
コマ割りは、適度に崩しての配置があり、飽きることはないです。
でも、何か苦手な見せ方なんですよね。
パーツでは、目の描き方、全体的には、線の細さが私には合わないのだと思います。
4.没入感 3点
読んでもいいと思います
登場する話、人物、出来事に無駄がなく、それぞれがつながっている点は、よく考えられています。つながりに気づいたときにはハッとしますよ。
ロシア人の劇作家、チェーホフの言葉に、銃が登場したら発砲されなければならない、というようなものがあります。その感じで、無駄がありません。
しかし、どうしても引き込まれるまでにはならないのです。上記のように、無駄のない作り方に気づけば、予見しながら読むことができます。その結果、さらさら~と読んでいたほうが、驚きを楽しめるという皮肉な展開になります。
5.独創性 3点
読んでもいいと思います
「女子高校生」と「死」という組み合わせは面白いですね。また、死が見られる場所として、病院と介護施設を選んでおり、その両方を取り上げたのは良いと思います。
「死」をテーマにした作品として、オチに向かう流れは想像できるものですが、湊かなえさんの作品を読んだ経験がある人には、ハッピーエンドは意外だと思います。
最後に
湊かなえさんの『告白』(小説)に衝撃を受け、『少女』(小説)もハードカバーで買いました。が、『少女』は、私には残念でした。漫画でも、その感想は変わらずです。まだ、映画は見ていないのですが、どうなんでしょうか。
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