今回は『少女』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。
本記事ではネタバレを含みます。
各ストーリー感想
学校編 1巻(1話)
主人公は、敦子(剣道が強い)と由紀(小説を書く)です。
敦子は、学校の裏サイトで殺害予告を受け、剣道をやめました。由紀の右手の平の怪我を、コップで切ったものと聞いていました。しかし、由紀は、死を見たことがある同級生には、おばあちゃんが原因だ、と別のことを言いました。
敦子は、死を見た人にしか、由紀は本当のことを話さないと考えます。そこで、敦子は、死を見るため、介護施設でのボランティアに応募しました。
敦子の考えは思春期特有のものですね。些細なことで勝手に傷つき、友人が自分をバカにしていると思っています。自分から、それを確かめる勇気はなく、悪いほうへ悪いほうへ考えます。そして、何か(今回は、死)を見つけ、それを手に入れれば、他の人から優位になれると思っています。
由紀は、小倉(担任の先生 )に小説を盗まれました。そして、小倉は、その小説で、作家デビューします。小倉を許せない由紀は、小倉を自殺に追い込みます。その自殺現場に居合わせたのが、由紀の彼氏でした。
死を見た同級生と由紀の彼氏によると、人の死を見たことがないと、不幸な話に重みがでません。そこで、由紀は、死を見るため、病院でのボランティアに応募しました。
冷めた人間としての由紀は、自分の不幸を周囲に認められるため、人が死ぬとはどの程度なのか測ろうとしています。由紀が求めているのは、幸せではなく、自分が不幸だという同情です。誰かが自分のことを「不幸だね」と思ってくれるだけで満足なんです。
病院・介護施設編 1巻(1話)
敦子、由紀は、それぞれの場所でイベントに合います。が、それらのイベントは2人からは独立していませんでしたね。このあたり、無駄がなくすっきりしています。
最後編 1巻(1話)
人の死を見たと自慢する同級生について、周囲の声があります。その子は、人が死んだ話をすることでしか周囲の注目を集められませんでした。由紀の彼氏を除き、誰もが人の死を、自分をより良く見せるために利用していた・利用しようとしていたとわかります。
本作品は、ハッピーエンドでしょう。敦子と由紀は、明るく未来を見るようになりました。でも、どうハッピーエンドなのでしょうか?
由紀にとっては、生きることの大切さを学び、不幸にとらわれていた考えが変わった長期的なハッピーエンドです。が、敦子にとっては、今回の出来事を通し、由紀への誤解が解けた一時的なハッピーエンドです。由紀のそれは、残念ながら長くは続かないでしょう。
きっと、敦子には、今後も同じような闇が訪れます。その時、夜は明けるのでしょうか。いや、明けないでしょう。敦子は、変わっていません。いずれ、由紀にとって敦子は重しになります。
最後に
感想を書くはずが、作品の詳細をただ単に書いている感じになり、大幅に書き直しました。無駄がない作品は、それぞれの出来事が密に混じっているので、感想を書くのが難しいですね。
こちらから購入できます
ネタバレなし評価
おすすめ漫画ランキングはこちら