今回紹介する漫画は『恋とはバカであることだ』です。
本記事ではネタバレを含みません。
愛するとは何か。思春期に、誰もがぶつかる悩みだと思います。異性を愛するのが、“正しい”とされる世の中で、同性を愛してしまったら?そんな不安を持っている人に読んでほしい作品です。
恋とはバカであることだ (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)
- 作者: おげれつたなか
- 出版社/メーカー: リブレ出版
- 発売日: 2014/06/10
- メディア: コミック
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巻数
1巻
総合評価 3点(3.0点)
独創的な漫画です。BLですので、男*男ですが、それを超えた純愛が描かれているように思えました。
各指標評価
1.ストーリー 3点
読んでもいいと思います
BL(Boys Love)です。
3つの独立した話があります。1つ目が、32歳コーヒーショップ店員と20歳大学生の恋愛、2つ目と3つ目が、高校生同士の恋愛です。2つ目と3つ目は、設定が似ているだけでなく、よくよく読むとキャラクターも本質として似ている気がしました。
BLを苦手な人もいるでしょうが、ここで描かれる3作品は、彼らを、男*男から、男*女に変えたとしても成り立ちます。つまり、男*男を避けるのは、それが不純だからではなく、生物学的に誤っているという価値観があるからでしょう。
恋愛における甘酸っぱさを感じることができます。特に、1作目は、男*女が恋愛の“普通である”とみなす世の中のテーゼに対する、アンチテーゼになっています。男*男と表面的に読むのではなく、男*女と読み替えることができる内容にすることで、ジンテーゼを樹立しているのでしょう。
男*男を超えた、普遍的な愛の物語です。
2.キャラクター 4点
興味があれば読むことをオススメします
“2つ目と3つ目はキャラクターも傾向として似ている”と上で書きましたが、似ているのは本質の部分で、性格や考え方に違いはあります。ただ、なぜ似ていると思え、不思議な感じです。
恋愛における、アナザーストーリーのような感じでしょうか。「恋人と、いま、こんな風に過ごしているけれども、出合い方が違えば、どんな風になっていたのだろうか?もちろん、恋人になる前提で」が、描かれているようで面白かったです。詳しくは、ネタバレ感想で考察しますね!
男*男が世の中では受け入れられないとわかっているからこそ、彼らの世界はいつも波乱に満ちています。その心の揺れ動きがうまく表現されていました。
3.読みやすさ 2点
読みたければ読めばいいと思います
性的な描写がどうしても苦手です。内容は悪くないし、絵も嫌いではないのですが、性的な、恍惚な絵が苦手なんです。BL漫画なので、性的な場面が描かれるのは、物語の前提にあるとわかるのですが。
4.没入感 2点
読みたければ読めばいいと思います
漫画の雰囲気で性的な場面に近づいているな、とわかりますよね。そう思うと、一歩引いてしまう自分がいて、漫画の世界から現実の世界に戻ってしまいます。
これは、男*男だからではなく、漫画で、性的な表現を見るのがそもそも苦手だからです。これが、男*女だとしても変わりはありません。(高評価の『うみべの女の子』は、性的な場面が、物語の重要な要素になっているので、別です。)
5.独創性 4点
興味があれば読むことをオススメします
男*女の漫画であれば、全体的な評価は低くなったでしょう。
本作品の独創的な部分は、男*男の話なのに、どちらかを女に置き換えても、違和感がないことです。単なるBL漫画ではなく、「純愛は性別にとらわれず、普遍的なものだ」と作者が主張しているように思えました。男性同士を描きながらも、男性同士が主ではない漫画だったと言えます。
BL漫画を読んだのは初めてで、新鮮だったというのもありますが。
最後に
BL漫画を初めて読みました。筋肉ムキムキ系の男性が出ると思っていたのでしたが、全体的に、ルックスは優男でした。
市場として、BLはある程度の大きさを持っていると思われ、「世界は広いな~」と、多様性を実感しました。
試し読み
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恋とはバカであることだ (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)
- 作者: おげれつたなか
- 出版社/メーカー: リブレ出版
- 発売日: 2014/06/10
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