今回紹介する漫画は『四畳半の祓魔師』です。
本記事ではネタバレを含みません。
エクソシストと言えば、ホラー映画の『エクソシスト』を喚起しますね。この作品は、ホラー要素がほぼないので、安心して読めますよ!
巻数
3巻
総合評価 3点(3.4点)
時事ネタが多く話に盛り込まれていて、クスクス笑いながら読めます。戦闘場面はほとんどなく、ほのぼの生活を楽しむ作品です。最後のオチは、「う~」という感じでモヤモヤ感が残りますが。
各指標評価
1.ストーリー 3点
読んでもいいと思います
悪さする魔物、霊、呪いなど やっつける漫画です。主人公には、見た目は可愛らしいが、真に姿は醜い大食いの子が悪魔(?)です。
終盤、とてつもない勢いで物語が進みますが、それ以外はちょっと早いかなくらいで展開します。本作品が季刊誌(年4回発行の雑誌)に掲載されていたので、雑誌で読んでいた人には展開が遅く感じられたのかもしれません。
各種時事ネタが取り込まれており、一時期ネタとして流行ったセーターなんかも出てきます。少なくとも私の周りで着ている人はいません。笑
な感じでネタは多めですが、もともとのストーリーに干渉しない程度です。
ジャンルとしては、ほのぼの系漫画でしょうか。バトルものではありません。ほとんどまともに戦いませんので。悪魔vs悪魔払いのような戦いを期待して読むと肩透かしに合います。
オチは弱いですね。
「え~、それで終わり?」的な終わり方ですので、よくある既定路線の終わり方を想定していた私は、ここで肩透かしに合いました。ある意味、巻数が少ない他漫画へのアンチテーゼなのかもしれません。
2.キャラクター 4点
興味があれば読むことをオススメします
そこそのキャラクターが登場しますが、ごみごみしてませんし、意外に使い分けられています。主人公、使役魔、幼馴染たちに加え、仲間になる敵、ならない敵、それぞれの設定がしっかりしています。
良くも悪くも物事に対しての「軽さ」を感じました。例えば、敵にひどい仕打ちを受けたとしても、それが後まで尾を引かずに笑いに代わって終わってしまいます。これは、ある意味とても怖いことで、霊魂が消えようともその程度で終わってしまうのです。
扱うテーマがシリアスであるにもかかわらず、路線としてはほのぼの系なので、死や消滅といった事柄は軽く扱われないといけないのでしょう。このあたり、現代を風刺しているようです。
3.読みやすさ 4点
興味があれば読むことをオススメします
絵そのものにクセはありません。コマ割りも気になる点はありません。
4.没入感 2点
読みたければ読めばいいと思います
戦闘がほぼないので、没入する場面は少ないです。
それぞれの話は、強いつながりを持っているわけでもないので、次へ次へとはなりませんでした。ほのぼのゆったり読む感じですね。これは、季刊誌連載だった背景を考えると、仕方のないことでしょう。
5.独創性 4点
興味があれば読むことをオススメします
設定そのものは別に新しいとは思いませんが、大魔王の料理コーナーは斬新で面白かったです。あとは、時事ネタをうまく入れ込めている点も高評価です。
これが!という独創的な部分を上げるのは難しいですが、小さなオリジナリティが多く散りばめられている作品と感じられました。飽きずに読めます。
最後に
作者である「リカチ」さんへは、少女漫画家のイメージを持っていましたので、ほのぼの系の本作品はちょっとした驚きでした。読んでみると、使役魔の女の子が、女の子女の子しており、結構好きでした。
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ネタバレあり感想