今回は『金の国水の国』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。
本記事ではネタバレを含みます。
各ストーリー感想
金の国編 1巻(1〜4話)
相手国に人外を送った各長は、やはり長になるだけの度量があります。お互いに外交問題に発展しても辞さないと言う意思と、神を否定する思想を持っています。加えて、臣民の意識がまだまだ低いのでしょう。現代で同じようなことをすれば、国民からも叩かれます。(笑)
ナランバヤルの立場に自分を置き換えると、あのように活躍できる気がしません。なんやかんやでうまくA国でのティーパーティーを乗り切ったのは、左大臣も評価するように素晴らしい活躍です。
しかし、北の水路の設計図をA国に渡すのは売国行為です。序盤で、水路の設計図に興奮している姿が描かれていますので、技術者としてその水路を実現したいと思ったのでしょう。そこで、資金は豊富にあるA国で、水路を作ることを提案したと考えられます。
この時点では、左大臣が言う覚悟をナランバヤルは持っていません。彼は良い人柄ですが、王として相応しくはありません。王は、まずは自国民を救済しなければならないからです。ちなみに、これはピリパッパも「君主たる者は民の生活をまず考えるもの」と、同じ思想です(笑)。
懇親の場での「お茶の時間に最後に残ったビスケットを黙って一人で食べちゃう人は選んじゃダメ」という発言が、良い考えとして認識されているのは不満です。最後の1つは、全員が最後の1つと認識した上で残ります。誰が食べるんだろうか、と気を揉みながら残ります。
最もスマートなのは、最後の1つになった時点で、速やかに食べることでしょう。各皿に最後の1つが残っている姿は見苦しいですし、時間の経過とともによけいに食べ辛くなりますもの。
水の国編 1巻(5〜6巻)
ナランバヤルが早々にサーラに惚れた理由は、よくわかりません。ぽっちゃり好きなんですかね。一方で、サーラはナランバヤルの優しさに惹かれています。
B国の族長、小物感がすごいですね〜。ナランバヤルがいないところで、ワイン飲みの戦いが開催されたのがいいです。1巻という尺にも関わらず、全てのイベントがナランバヤルの下で行われていないというのがリアルです。
協力編 1巻(7〜最終話)
右大臣のピリパッパ、悪役にふさわしい絵、思想でした。初登場時は、小物みたいな印象を受けますが、実は、しっかりと国のことを考えているんですね。国王にマッサージ屋から引き上げられた恩もあるでしょう。国を守るため、暗殺を行う覚悟があります。
一方で、左大臣は、国を守るため、変革に挑む気概があります。本作品では、左大臣側が善として描かれていますが、どちらかが正しいというのはありません。右大臣が、左大臣を排除したいのは、国をより盤石な体制にしたいからです。あくまで、国のことを考えてなんですよね。
QPS48は、AKB48のパロディですね!美を盾にした侵攻は、平和だからこそできる方法です。これが戦時中ならば、捕虜にとられて終わりですから。王女は、平和時には権力を振るえるが、戦時では危うい立場にいます。
最後、ナランバヤルとサーラの間に子どもが生まれています!!
最後に
短い中に、内容がぎゅっと詰め込まれた良い作品です。
一読しただけでは見落としがあり、何度も読むことで新しい発見があります。私も初め、序盤のコマの読み落とし、ナランバヤルが左大臣に水路を提案した理由を考察できませんでしたから。
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ネタバレなし評価