今回紹介する漫画は『中学性日記』です。
本記事ではネタバレを含みません。
中学生の頃を思い出すと、男子も女子も性的なことに関心を持ち始めていました。一方で、そういう関心を持っていることを異性に知られるのが、とても恥ずかしかったような記憶があります。私にも、そして周りの人たちにもそのようなピュアな時代があったのかと感慨深くなりますね。
中学性日記(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: シモダアサミ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/02/10
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (6件) を見る
巻数
4巻
総合評価 3点(3.4点)
総合評価としては、3点という平凡な作品です。しかし、総合評価を超えた意義のある作品だと私は評価しています。大人になる過程で悩みが多い中学生にこそ読んでほしい作品なんです。よくある性的興奮を刺激する漫画では断じてありません!
各指標評価
1.ストーリー 4点
興味があれば読むことをオススメします
中学生の男の子、女の子が思春期特有の悩みに直面する漫画です。タイトルからも分かる通り、性的な悩みです。
皆さんも経験があるような悩みが、男の子視点と女の子視点から展開されています。各種の悩みがコンパクトにまとめられており、それがストーリーそのものにも紐づいているので楽しく読めますよ。
2.キャラクター 4点
興味があれば読むことをオススメします
登場人物が少ないと、同じ人間が色々な悩みを負う「悩み欲張りセット」になりがちですが、本作品は登場人物がそこそこいるので、そのような事態を避けられています。
登場人物ごとにそれぞれの悩みや思いがあり、それが本作品のキャラクターの設定になっています。悩みを持つ者同士をクロスさせることで、現実でもありそうな学校生活が繰り広げられていますね。
そう言った意味で、キャラクターの内面的な描き分けはしっかりとできています。
3.読みやすさ 1点
読むことをオススメしません
キャラクター同士の物理的な絵の描きわけが十分ではありません。私には、男子生徒の登場人物と女子生徒の登場人物の2区分くらいしか序盤はできませんでした。
読んでいる途中で、違う人物だと気づくことが多々ありましたので、1点という最低点をつけました。全体的なフォルムが似ているのでそうなったのでしょう。本作品を読む方は、細かい違い(髪型等)を意識してキャラクターを把握するのがいいと思います。
絵自体は優しい雰囲気の絵で、どちらかと言えば好みです。
4.没入感 3点
読んでもいいと思います
良くも悪くも夢中になることはないです。それは、本作品が中学生の悩みを取り扱っているという構造上の縛りがあるからです。本作品の想定読者は、中学生あるいは小学生です。彼らにとって、面白いというよりもタメになるという漫画です。
もちろん、大人にもおすすめできる漫画です。その場合のおすすめ観点は、中学生時代のあるある漫画という位置づけになります。「そう言えばそんなことに悩んだな〜」が大人の読み方です。
単に夢中になるような作品にしたいのであれば、萌え絵にすればいいでしょう。そうすれば、男性がより熱意をかけて読んでくれると思います。でも、そんなことをすると、当初の想定である中学生から、女子中学生が外れてしまいます。だからこそ、萌え絵で夢中を稼ぐ必要はないんです。
5.独創性 5点
ぜひ読むことをオススメします
新しい保健の教科書的な立ち位置になります。学校で使うような保健の教科書は、表面的で教育的な内容にならざるを得ません。
一方で、現実には、本作品のような悩みを持つ学生もいるでしょう。そして、その多くの者は誰にも相談できないでいると思います。「そのような悩みは一般的なんだよ」と教えてくれるのが本作品です。
巷にあふれる、性的興奮を高める漫画ではなく、人の悩みを解決する漫画という点でとても独創的だ、と私は考えました。絵があえて萌え系でないのがいいです。これが、萌え系の絵ですと、単なる大人の漫画になってしまいますから。
最後に
中学生の頃、保健の期末テストで100点満点をとったことがあります。嬉しいと同時に少し恥ずかしかったです。「保健=性的なもの」と言った誤認をみんなでしていたからでしょう。今なら、堂々と言えますよ!
試し読み
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中学性日記(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: シモダアサミ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/02/10
- メディア: コミック
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ネタバレあり感想