今回紹介する漫画は『デッド・オア・アニメーション』です。
本記事ではネタバレを含みません。
今回紹介する漫画は、表紙を外すと面白い絵が描かれていました!そういう遊び心いいですよね。表紙とは、テイストの違う絵です。これは、著者が「自分はこういう絵も描けるよ!」というアピールなんでしょうか(笑)。
デッド・オア・アニメーション 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 天望良一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/04/04
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
巻数
3巻
総合評価 3点(3.4点)
悪い作品ではないです。と同時に、めちゃくちゃ面白い作品でもないです。しかし、アニメ業界を目指す人や、イラストレーターを目指す人には必見の漫画でしょう。私は、アニメ業界にゆかりはありませんが、興味はありましたので楽しく読み終えました!
各指標評価
1.ストーリー 3点
読んでもいいと思います
アニメ業界がテーマなので、面白いネタはもしかするとそこまでないのかもしれません。私は、アニメ業界に詳しくないので、新しいことを知るという観点でも楽しく読めました。そういう業界あるあるみたいなものを中心にストーリーが構成されているかと思ったのですが、後半は、単なるヒューマンドラマになってしまったのが残念です。
打ち切りの終わり方ですね。一応まとまってはいますが、もっともっと伸ばせるネタは仕込まれていましたもの。アニメ業界の漫画というテーマからぶれたのがよくなかったです。
1巻のボリュームで職業紹介的な漫画を描けば流行るかもしれません!この作品で、アニメ業界における制作進行の仕事について少し知見が得られました。下記NHKのクロ現のアニメ業界の話と似ていて、やはり過酷な環境であるとわかりました。
2.キャラクター 3点
読んでもいいと思います
主人公の健気さと、途中で登場するおかまキャラがいい味出しています!主人公の師匠的位置付けになる人とそのライバルは王道の設定ながら、いい意味で期待を裏切る終わり方になりました。
ただ、くせのあるキャラクターを登場させればいいという発想で生み出されたようなキャラクターもいて、それが残念でした。実際のアニメ業界にもクセがすごい人はいるでしょうが、描く上ではリアルさが欲しかったです。狂気に満ちた若い女性キャラというのは、漫画ではありがちですが、実際に遭遇した経験がある人ってどれほどいるんでしょうか。
3.読みやすさ 3点
読んでもいいと思います
驚くほどうまくも下手でもないです。これは、著者が本作品の中で描いているように、あえて「社交的に」描いているのかもしれません。ここで言う社交的は、1つの絵にこだわるのでなく、量を描くことです。例えば、1本のラインで済むものを3本のラインで表現すると、手間が3倍になります。社交的に描くとは、1本のラインで済ませることです。
社交的に描いた方が商業的には成功するでしょう。その結果、残念ながら本作品は100年後に残らないことになると思いますが。
4.没入感 4点
興味があれば読むことをオススメします
アニメ業界の話が特に読んでいて興味が湧きました。「へ〜」と思うような話や「やっぱりそうなんだ」と再認識する話等いろいろでした。主人公がアツい系でしたので、感情移入もしやすいのがポイントです!
後半、ヒューマンドラマになるところもなかなか面白かったですよ。巻数が3巻とわかった上で読んでいるので、どのように収束するのかは気になりました。連載を追いかけて読んでいる場合には、だらだら続いているように感じられたんですかね。
5.独創性 4点
興味があれば読むことをオススメします
アニメ業界をテーマにした作品は私には新しかったです。漫画では『バクマン。』がありますね。単なるアニメ業界の説明漫画ではなく、ストーリー性がある前半は読み手を飽きさせない作りでした。
本作品の途中から、あるある系のヒューマンドラマになったのがとても惜しいです。全体で高評価になっていないのは、もっとアニメ業界ネタで本作品を構成できたと思ったからです。
最後に
こういう業界もの、いいですよね。部分が拡大され、面白おかしく表現されている箇所もあるかとは思いますが、自分が知らない業界や職種を知る便利なツールです。既刊本であれば、『13歳のハローワーク』がそれに該当します!
試し読み
こちらから購入できます
デッド・オア・アニメーション 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 天望良一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/04/04
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ネタバレあり感想