今回紹介する漫画は『暗黒女子』です。
本記事ではネタバレを含みません。
上下巻の作品はたいてい映画化されていますね!本作品も、2017年に実写映画化されていました。漫画ではもっと可愛いイメージだったのですが、全体的にリアルになっています(笑)。それによって、現実でも起こりえそうな話になっています。
う〜ん、お嬢様感がないような気がします。 漫画では、近づき難く高貴な雰囲気が醸し出されていますよ!
巻数
2巻(上・下巻)
総合評価 4点(3.8点)
物語がスピーディーに進みます。もしかすると、1人目のストーリーでお腹いっぱいに感じてしまう方もいるかもしれません。1人目から踏み込んだ内容で「これどうやって収拾するのだろうか?」と不安でしたが、いい感じに締められています。安心して読み進めてください(笑)。
各指標評価
1.ストーリー 4点
興味があれば読むことをオススメします
文学サークルの会長が死に、その死を題材にした自作小説の朗読という話です。サークルメンバー5人が、それぞれの観点からサークル長の死を掘り下げます。感覚を高めるため、暗闇の中で鍋(闇鍋)を食べながら、朗読は進みます。
起承転結の「転」がずっと続く感じでした。テンポはいいです。死が新しい見方から検討され、 「なるほど、そういう解釈もできるのか」と言った具合です。ここで重要なのは、それらは朗読者の観点で書かれたストーリーだという点です。
サスペンスに属すのでしょうが、サスペンスと期待して読むのはオススメしません。終わり方のまとまりは悪くはないですが、肩透かしでした。これについては、ネタバレあり感想で詳しく書きたいと思います。
2.キャラクター 4点
興味があれば読むことをオススメします
完璧なサークル長に集められた個性ある5人。サークル長が勧誘しただけあって、キャラクターの被りはありません。偶然に性向が違う者が集まったという話よりも、こういう形式のほうが整合性はありますね〜。
本作品の終盤で、各キャラクターの違った見方が提示されるのも面白かったです。
3.読みやすさ 3点
読んでもいいと思います
5人の内、2人似ている絵の者がおり、そこは私には区別し辛かったです。それ以外は、特筆すべきものはありません。きらびやかな雰囲気の中にある闇鍋が不味そうに見えたのは、著者の狙い通りなのでしょう。
4.没入感 4点
興味があれば読むことをオススメします
各人の朗読中は、どっぷりとその世界にはまります。しかし、各朗読の内容が濃いので、次の朗読に移る前は、ちょうどよい休憩のタイミングになりますね。 起承「転」結が続く作品なので、読んでいて結構疲れます。
各人の話によって、補足情報がどんどん追加されていきます。同じ「死」をこのように多様な観点で考察できるのか、と楽しんで読み進められます。
5.独創性 4点
興味があれば読むことをオススメします
それぞれのストーリーが合わさることによって真相が見えてくるものではありません。5人の話はほとんど互いに影響していません。それぞれが独立した形式をとっており、最後の最後にそれらを吸い上げる形をとっているのが、私には目新しかったです。
ただ、オチが弱かったです。最後の最後まで楽しく読めていたのですが、オチは「あ、そっちなのね」とあるある系になってしまいました。
朗読会の設定は、漫画ではなく小説として読むとより面白かったと思います。と思っていましたが、原作は小説なんですね!
最後に
上で貼り付けたyoutubeのサムネイルの女の子、サークル長のお嬢様役の子なんですが、やはり私のイメージと違います(笑)。 漫画ではもっと落ち着いた感じで描かれていますよ!
本作品の総合評価が4点になったのは私には意外でした。「たぶん、3点だろうな」と思っていたのですが、各項目で実はいいところまで行っていたのですね。5点の項目はありませんでしたが、あと少しの部分もあり、惜しい作品でした。
追記:タイトルを『暗黒少女』と勘違いしていました。
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