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[バレあり]服なんて、どうでもいいと思ってた。_感想010[4点]

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今回は『服なんて、どうでもいいと思ってた。』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。

本記事ではネタバレを含みます。

服なんて、どうでもいいと思ってた。 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

服なんて、どうでもいいと思ってた。 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

 

各ストーリー感想

女性ファッション誌編 1巻(1〜4話)

ボクジング雑誌(天神)、映画雑誌(大勝)、盆栽雑誌(花月)、エロ雑誌(デスク)から来た4人で構成されるC班。デスクがいちいちかっこいいですね(笑)。最後にわかるのですが、4人はモテたいというエネルギーが強いから選ばれていました。デスクはそもそもモテている上での更なるモテを、残りの3人は0からのモテを得たいという欲求でしょう。そういう意味で、デスクはチームリーダーとしてふさわしいです。自分のスキルを伝授することで、より高みを目指せます。かっこよく言えば、デスクのスキルは再現性があり、万人に使えるものです。残りの3人が「モテる」をテーマにしていなかった中、デスクは1話から、オシャレは「モテるため」にあると言っています。

 

職場環境は過酷で、主人公である花月はOJT(現場で働きながら仕事を覚える教育)を受けています。本作品では、花月を通し、ファッション業界の虚業、クリエイティブという究極の主観を学んでいきます。それらは本来ファッション業界を否定するものですが、漫画として面白おかしく描くことで、その批判をうまく反らせています。

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編集長編 1〜2巻(5〜8話)

小さい子に服装をバカにされ、マウンティングをとったところ編集長(三越さん)だった、という漫画ですが漫画みたいな展開です。編集長は43歳ですが、超絶アンチエイジングで小学生のような見た目です!寝起きで超絶アンチエイジングをする前の編集長も美しいですね〜。

 

ここで面白いのは、天神の「布でしょう?」です。服はもともと布であるのに、なぜこれほど高いのか、という素朴な疑問が現れています。他にも、大勝の「オシャレでなければ恋愛もできないというのですかッ!?」等、笑えるながらも現代の闇を照らす発言がところどころ見受けられます。

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Zappa編 2〜3巻(9〜11話)

敵対勢力であるZappaに迷い込んでしまった主人公たち。ファッションに正解はなく、各人が好きと思うものが主義になるので、このような無為な争いが起こるのでしょうね。Zappa編集長である松坂さんは、個性と自由を重んじる排他的思考を持っているようです。・・・、自由と排他が共存するのが面白いですね。イメージとしては、「多様性を受け入れない君は間違っている」と主張する人です。多様性を主張する人に限って、多様性を受け入れない多様性はないんですよね〜。三越さんと松坂さんで、主観と感情による口論が始まります。彼女らはお互いに理解し合うことはないでしょう。どこぞの政治を見ているようです。

 

大勝の映画の話で、松坂さんとの距離が近くなりました。が、調子に乗りすぎました。ファッションの話に踏み込んだのは致命的な誤りです。彼のモテ期は92秒で終わったのは悲しいながら面白いです。デスクのモテ力が炸裂し、大勝のモテ期はデスクにスライドします!

 

期待編 3巻(12〜14話)

ここが本作品の起承「転」結になります。

 

服の流通こそ正義という闇は、子供服で実現しやすいようです。確かに、成長が早い子供は、成長するに従って服を変える必要があります。加えて、流行がころころ変わる服という性質も、社会的制裁としてお古を罰することで、新品の需要を喚起できます。ファッション意識、あるいは自分が他人に見られているという意識が強い親は、ファッション業界のいいお客さんですね。

 

アオバちゃんのファッションセンスのレベルの高さが客観的に表現されています。アオバちゃんが花月に気をかける理由がそれほど描かれていません。頑張っている姿が励みになる、というのはもっともらしい理由ですが、それで人を好きになりますかね。ここは、私の読みでは考察できませんでした。

 

監獄編 3巻(15〜16話)

ここが本作品の起承転「結」です。話の構成としては王道です。そして、締めとしても素晴らしい流れです。

 

これまでの3人は思春期が爆発し、女性への免疫がないため、ちょっとしたことで勘違いをしていました。それはまるで暴走機関車のように走り続け、今までは幸運のおかげで事故になりませんでした。他人からのアドバイスをそのまま活かしていた彼らが、ついに主体的にファッションを実現しようと動きます。その始まりは、大勝のSNS事件からですが、彼らは変わり始めました。ファッション業界の核に気づいた彼らは、自演により自分たちのファッションセンスを流行にしようとしました。

 

一部の権力者によって流行は決められるというのは核心でしょう。意味がよくわからない服装でも、流行ればそれが答えになりますから。「ちゃんちゃんこ」というのはあくまで例で、著者が伝えたかったのは、ファッションの虚偽と、それでもそこからは逃げられない残酷さでしょう。正解がないファッションだからこそ、布に莫大な金額を上乗せすることができるんです。

 

最後に 

読み解けば、ファッションへの強いアンチ意識を感じます。ただ、単純に漫画を読んでいるだけでは、ところどころ「へ〜」と思い、面白く読み終わるでしょう。構成としても、先ずは「女性にモテるテクニック」から展開を図り、途中からファッション業界への批判に持っていっているのは、著者の誘導のうまさを物語っています。

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