今回は『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。
本記事ではネタバレを含みます。
各ストーリー感想
自己紹介編 1巻
自己紹介の時に、自分の名前を言えない大島志乃ちゃん。吃音は特定の語で始まる単語を言いにくかったりするようですね。吃音は3つに分類でき、連発型(僕は:ぼぼぼぼぼくは)、伸発型(僕は:ぼーーぼーくは)、難発型(僕は:・・・・・・ぼ・・・くは)があるようです。志乃ちゃんは連発型ですね。
菊地との出会いは悪いです。後からわかりますが、菊地は志乃ちゃんに惚れています。たぶん顔がタイプなのでしょう。高校生男子なんてそんなもんです!
加代ちゃんとの出会いもそんなに良くないです。根はいい人ですね。ま、そう紹介されて、本当にいい人はあんまりいませんが(笑)。でも、加代ちゃんは例外です。一見強く見えますが、そこまで強くないです。仲良くなった最初の理由はよくわかりません。それゆえリアル。本屋で志乃ちゃんに助けられて、友情を感じています。
音楽活動編 1巻
「しのかよ」として文化祭に出たいという加代ちゃん。「そんなこと言ってたらあっという間にババアだよ!!」と檄をとばす加代ちゃん。早速、駅前で演奏をする2人。青春ですね!一歩前に踏み出した加代ちゃんは、嬉しそうでした。
緊張しながらもなんとか始まった駅前演奏でしたが、なんと菊地の登場。志乃ちゃんにとってみれば、菊地は自分の吃音をモノマネする嫌なやつでしょう。菊地視点では、自分の気になるの子新たな一面を見られてHappyでしょう。なんやかんやで菊地が「しのかよ」に参加します。
が、長くは続かない。志乃ちゃんは耐えきれずグループを抜けてしまいます。志乃ちゃんは加代ちゃんにひどいこと言いましたね。あれは絶対に言ってはいけない。だって関係ない話ですもん!菊地の謝罪にも切れる志乃ちゃんは、すべてを断ち切り自分の世界に篭ります。
文化祭編 1巻
加代ちゃんは1人で歌っている!音痴を気にせず歌っている。曲名は「魔法」。みんなと同じように話せれば、みんなと同じように歌えれば、外に出かけるのに・・・ 。志乃ちゃんと加代ちゃんの歌でした。それを見た志乃ちゃんは感激します。自分は自分の名前を言えない、と。この場の勢いは、押見さんっぽいです。
この場面は、菊地の人間としての良さが存分に表現されています。
未来編 1巻
みなさん同じ意見だと思います。たけみやって誰?!
娘さんはいい子ですね。部屋に置かれた写真からも3人があのあと仲良くなったことが分かります。たけみやが誰かは分かりませんが・・・。
最後に
本作品のあとがきで「ただの「吃音漫画」にしたくなかった」と作者が言っています。が、これは吃音漫画です。 ただの吃音漫画ではありませんが、吃音者の日常を描いた吃音漫画であることには間違いないでしょう。だから言って、この作品が特殊とは思いません。誰にでも適応できる普遍性があると思っています。
吃音や音痴や空気の読めなさはあくまで具体例に過ぎません。私もあなたも何らかがあります。それに置き換えた時、この作品は各人の作品に変わります。作者があとがきで伝えたかったのは、そういうことじゃないでしょうか。
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ネタバレなし評価
5点中3点と普通の評価です。
この作品が「吃音者の普通」を描こうと試みているため、作者の目論見通りの評価になりました。
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