今回は『君の膵臓をたべたい』のストーリー毎に私の感想と注目ポイントを紹介したいと思います。ストーリーの分け方は私の分類によりますので、もしかすると皆さんとイメージと違うかもしれません。
本記事ではネタバレを含みます。
君の膵臓をたべたい(上) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: 桐原いづみ,住野よる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2017/02/10
- メディア: コミック
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各ストーリー感想
喪失編 上巻
読み始めてすぐにヒロインが死ぬことがわかります。主人公の「君の膵臓をたべたい」というメールは何を意味するのか分からず、引き込まれる構成になっていますね。
その後過去編が始まり、主人公とヒロインが図書館で本を整理している場面になります。ヒロインから「君の膵臓をたべたい」との発言があり、それは悪い機能の部分を食べれば、その機能が治るという話をもとにしたものです。
ここで気になるのは、なぜ主人公が「君の膵臓をたべたい」とヒロインにメールを送っているかです。だって、主人公の膵臓は悪くないはずですもん。
出会い編 上巻
主人公とヒロインが出会う場面です。病院の待合室で忘れ物の文庫を読んだところ、ヒロインの「共病日記」でした。にしても、ヒロインと主人公の距離の縮まり方が、もう童貞の想像のようで素敵です。ヒロインの秘密を知る他人として、ヒロインの中でポジションを獲得していきます。現実にはなかなかなかなかありえない!
その後、焼肉デートやケーキバイキングデート等2人の距離を詰める展開になります。側から見れば、2人はカップルですね〜。
博多旅行編 上巻
ここで主人公の名前のヒントが出ます。ま、分かりませんが(笑)。志賀春樹って何やねん!
この編のポイントは夜のホテルでの会話です。セクシーな要素はないので、変に意識せず「死」に向き合えます。主人公は、ヒロインのカバンに入っている大量の薬に衝撃を覚えます。たぶん、今まで主人公が冷静だったのは、ヒロインの死を架空の物語あるいは小説の話の1つ程度にしか感じていなかったのでしょう。圧倒的リアルの前に、「挑戦か真実かゲーム」で最後に逃げてしまった主人公。ここのストーリーを境に、主人公に人間らしさが出るようになります。
お家訪問編 上〜下巻
ついにヒロイン宅訪問です。メガネ男子がヒロインの元カレであると判明します。愛ゆえの暴走でしょうか、彼はストーカーになりつつあります。若い。
ヒロインは主人公をいじりすぎました。童貞も人間です、男です。バカにしすぎるとダメですよ!バカにされた主人公はカッとなり、ヒロインの手首を強く押さえてしまいます。ここでヒロインは泣くのですが、「なんやこいつ」と思う人もいるでしょう。しかし、この展開は主人公が人間の心を得るために必要なプロセスなんです!!
入院編 下巻
仲直りした直後から入院なんて、病死する壮大なフリではありませんか。
しかし、何事もなく退院するんです。ちょっと肩透かし感を覚えたのと同時に、上巻の冒頭にどう繋がるのだろうと考えました。たぶん、病気が突然悪化するんだろう、的な。
別れ編 下巻
病死ではなく、殺されました。なんという衝撃。
余命宣告された者は、その余命まで生きるだろうという考え、それを打ち破る展開。主人公の「世界は差別をしないんだ」が印象的です。映画や小説でも、病気の人は病気で死にます。まさか通り魔に殺されるとは思いませんでした。私は、小説を先に読んでいたのですが、ここの部分は手が止まりましたよ!
「共病日記」の部分では涙ができました。お互いにお互いが持っていない部分に惹かれていたのですね。出会い編で、2人の距離が縮まったのは、自分にないものを補完したいという思いからなのでしょうか。
「君の膵臓をたべたい」は、2人の間だけで通じるブラックジョークでした。最後、お互いに同じジョークを楽しめたのは素敵です。
1年後編 下巻
主人公は前よりも人と接するようになりました。
主人公の中で、ヒロインが生き続けていることが分かります。
最後に
本作品は、漫画以外でも小説、実写映画、アニメ映画、いろいろなメディアで展開されています。内容が詰まりすぎてなく、程よいボリュームなのがいいのでしょうか。普段本を読まない人や映画を読まない人にもいいかもしれません。小説と漫画の内容はほぼ同じです。
主人公の名前を【秘密を知ってるクラスメイト】のように本名が出ずに進んでいくのが面白いですね。そして、それが主人公から見た自分という設定もよかったです。
小説を読むきっかけをくれた、電車で出会った高校生に感謝!
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君の膵臓をたべたい(上) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: 桐原いづみ,住野よる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2017/02/10
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ネタバレなし評価
5点満点中4点と高評価な作品です。
さっくり読めて、カタルシスを味わえる作品です。
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